『縛』

/詮索

サラの部屋から、戻ってすぐに
ベッドに直行した。

軽い興奮状態にあるのは、
なぜなんだろう。

興奮するような
出来事もなかった。

運命を感じるような、
再会をしたとは思うけど
それだって、アイツと
共有している感情だとは
到底言い難くて。

いつもどおり、眠るつもりが
目は覚めるばかりだ。


昨夜といえは、
深夜放送の映画を見ながら
ただ、何ともない、
世間話をしていて、
あまりの平和さに、
気付けば俺の方が
先に寝ていた。

なんも出来ないなら、
寝ちまえって・・・くらいの
勢いだったのかな・・・?

それでも、当然、
熟睡には至らない。

うたた寝を繰り返す中、
何度目かの目覚めで、
サラのひざ枕で、
自分が眠っている事を
知った。

心地よかった。

明け方まで動けなかった。

サラは、俺の腰あたりに、
上半身を崩すように、
重なって眠っている。


二人、子猫みたいで。


こういうのも
悪くないな・・・って、
思った。



 
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