『縛』
『明日は、お兄ちゃんと
約束があるから』

って、言っても。


『昨日もよく眠れなかったし
今日も一日仕事したから
疲れてるんだ』

って、言っても。


「ふーん。だから・・・?」


そういって、
手首に力が加えられる
だけだった。



「やだ・・。


何これ・・・。


もう、やだよ・・・。」


体を洗いながら、
自分が、その痛みを
快感と受け止めていたことを

改めて認識した。


まだ、終わってないんだ。


まだ・・・。


現実は、私を混乱させる。


志央が、私を連れ出した先は、
彼自身の部屋だった。


「サラのベッドじゃ
狭いでしょ。」


それが理由だった。


だけど・・・


私、何してるの・・・?


シャワーをすすめられ
躊躇するも、

「何で?朝風呂派?」

からかわれて、
話術にはまってしまった。


バカなんだから・・・



何考えてんのよ。


私も・・・


志央も・・・






 
< 95 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop