『縛』
でも、アイツのせいにして
自分の殻に、
閉じこもろうとしてるのは
自分自身だってのも、
よくわかっている。


ほんとうは・・・


踏み出す先も、
よくわからない。


私は、弱虫だ。


ホントは、わかってる。


ヒトの気配がして、
扉の方を振り返った。


静かに佇み、
穏やかな目を向ける
志央がいた。


髪がまだ乾ききってなくて、
妙に色気を感じる。


「サラ。夜はね、
考え事しても、
ポジティブな案が
浮かばないんだよ。

だから、そろそろ寝よ?」


彼が、笑み言った。



 
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