愛は要らない
【お互いを愛さない】
遥と綾野の喧嘩が、ようやく終わりを迎え、寝室では目覚ましが鳴り響く
───カチッ
「・・・朝ですよ」
目覚ましを止めて、綾野は隣で眠る遥に声をかける
「もう少し・・・」
「起きなさいっ」
布団を奪い取り、綾野はベッドから降りる
「ひどいなぁ・・・。疲れてるのに」
乱れた髪を掻き上げて、遥がにっこりと笑いかける
「疲れているのは、女性の所に行って、帰って来たからでしょう?」