愛は要らない
(問題は、綾野に深入りしようとしている自分だ・・・)
落とした携帯を拾いながら、遥は今夜のことを考え始めた
屋敷に帰れば、寝室に綾野の姿がない
「・・・・・・?」
遥は上着を脱いで、廊下にいた使用人に声をかける
「綾野を知らない?」
「若奥様ですか?確か、書斎にいらっしゃったと思いますが・・・」
「書斎?」
遥は使用人に礼を言って、書斎へと向かった
長年屋敷に住んでいる遥だが、滅多に書斎へは行かない