愛は要らない
本を読んでいると、時間を忘れてしまう
「・・・泊まって、来なかったんですね」
書斎から出て、綾野は遥に笑いかける
「そうだね・・・」
気まずい空気に、2人は黙ってしまう
(最近、私もだけど・・・、遥も変だわ・・・・・・)
遥を見上げて、綾野は考える
気のせいかも知れないが、優しくなった気がする
以前も優しいは優しかったが、なんというか───
(優しさに、今までにない感情を感じるわ・・・)