愛は要らない


かなり熱い

これは確実に、熱がある

ベッドを降りようとした綾野を、遥が呼び止めた


「傍にいて・・・」

「でも・・・」


汗を拭くためのタオルも何もない

取りに行こうとしたが、遥が弱々しい声で懇願するので、綾野はベッドに戻る


(朝は元気だったのに・・・)


いきなり風邪をひくなんて・・・

綾野は、隣で眠る遥を見つめる


(風邪、移ったらどうしよう・・・)


そんなことを考えていると、遥の手が伸びる


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