愛は要らない
「行ってらっしゃい」
綾野に見送られ、遥は会社に向かう
遥を見送って、綾野は屋敷の中に戻る
風邪をひいたことが嘘のように、遥は元気な顔で朝を迎えた
(バカは風邪引かない、って嘘みたいね)
というより、遥はバカではなかった、という発想はないのか?
「おはようございます、奥様」
「おはよう、綾野さん。遥は、会社に?」
舞子は珍しく、起きてくるのが遅かった
微笑む舞子は、綾野と共にリビングへ