愛は要らない
危険な予感
──────ヤバい
これは、確実にヤバい
西園寺家の書斎で、綾野は先程から同じ言葉を繰り返している
「酔ってたから、あんなことしたの?・・・ダメだ。思い出したくない」
1週間前のあの夜
綾野は【初めて】を経験した
しかも、酔った遥と
「でも、問題はそこじゃないのよ、ね・・・?」
そう、問題は別にある
それは・・・
─────嫌じゃなかった
ということ
「これはヤバいわ」
呪文のように、何度も繰り返す