愛は要らない


昼間近、寝起きの遥が書斎へ訪れた

シックな出で立ちの遥に、綾野は少し戸惑う


(・・・カッコいいと思う、ってことは、末期?危ない?)


自分自身に聞いてみて、綾野は遥から目を逸らし、ため息を漏らした


「今夜、お祖父さん主催のパーティーに出ることになったよ」

「突然、ですね」

「あの人はいつも、唐突に言い出すんだよ。一緒に、ドレスを買いに行こうか?」


遥の誘いに、綾野は言葉に詰まる


「えっと・・・。今あるドレスじゃ、ダメ、なんですか?」


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