愛は要らない
出来れば、あまり遥と2人で出掛けたくない
「全部母さんの趣味だろ?1つくらい、僕の見立てがあっても、いいと思うよ?」
甘い笑顔に、綾野は文句を言いたくなる
(遥は、女性なら誰にでも優しいから・・・)
だから、自分が特別だなんて、思ったりしない
今まで、異性から優しくされた経験が少ないから、戸惑っているだけ
すぐに、いつもの関係に戻る
「綾野?お~い」
「え?あ、すみません・・・」
考え込んでいて、遥の声が聞こえていなかった