愛は要らない
綾野は、持っていた封筒を握りしめる
「僕は・・・」
「離婚届です。まだ、私は書いてないですけど・・・」
「ちょっと待て」
差し出される封筒を奪うように、遥は受け取る
そのまま綾野の腕を掴んで、寝室を出ていく
「ちょっと・・・っ」
外に出れば、運転手が頭を下げる
「これを会社に届けてくれ。僕は、用事ができた」
運転手に忘れ物を渡して、遥は自分の車へと向かう
普段、自分で運転をしない遥だが、ちゃんと免許は持っている