愛は要らない
綾野は近くのソファーに手を伸ばし、遥から距離をとる
「確信はないけど、毎月きちんと来てた生理が、2ヶ月も来ないから・・・。もしかして、と思って・・・」
「なんで、すぐに言わなかった?」
「杞憂かも、しれなかったし・・・」
──────バサッ
封筒を、遥が机に投げる
「それで、離婚届?」
「誓約書に、あったじゃないですか。子どもはつくらない、って」
「妊娠のことを何も言わずに、離婚しようとしたの?」