愛は要らない


「・・・・・・・・・楓?」


会社の前、車に乗り込もうとする遥が、懐かしい女性が目に入り、足を止めた


「久しぶりね、遥。何年ぶりかしら」


美しく笑いかけるのは、かつての恋人、倉木 楓だった


「5年、くらいかな?帰って来てたんだね?」

「・・・留守電、聞いてないの?連絡しておいたんだけど・・・」


言われて、遥は携帯を見る


「ごめん。忙しくて、見てなかった」

「いいのよ。・・・・・・その指輪」


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