愛は要らない
あの時、まだ遥は学生で、しばらくは連絡を取っていたが、もう数年近くは音沙汰なし
遥が専務になったことなど、知るはずがない
「大学時代の友達が、教えてくれたのよ。・・・貴方なら、すぐに社長になれるわね」
「それは分からないよ」
車に乗り込み、静かに車は走り出した
昔、よく楓と来ていたバー
最近は来ていなかったが、変わらない内装に、あの時のことが蘇る
「あの時は、ここでプロポーズされたわね」