愛は要らない
「新しい携帯か・・・」
窓の外を見れば、先程と景色が変わっていない
「すみません、奥様。渋滞が・・・」
「そうですか。近いですよね?」
歩いて行ける距離までは来ている
「歩いて行きます。大丈夫ですか?」
「大丈夫ですが、お一人で?」
頷くと、綾野は車を急いで降りた
元々、車が必要なわけではないので、歩いても問題はないのだ
「・・・・・・・・・・・・遥?」
足を止めて、ガラス張りの店内に目を向ける