愛は要らない
愛はどこに在る?
壊れてしまった携帯と、新しくなった携帯
2つを並べて、綾野は小さくため息をつく
「綾野さん?届けものをしてくれるかしら?」
「奥様・・・。届けものというのは・・・」
「遥にこの書類を渡して来て欲しいの。あと、帰りに紅茶を買ってきて欲しいの」
渡された書類と、長財布
「・・・分かりました」
断る理由もなくて、綾野は素直に頷いた
遥の会社、というより遥の父親の会社は、何度見ても立派で、何度来ても慣れない