愛は要らない
騒がしいホテルの中に足を踏み入れれば、視線が集まる
少し居心地が悪くて、綾野は遥を見上げる
緊張など、露ほどにも感じていない顔
「遥、久しぶりだな」
するりとほどけた腕は、そのまま知り合いの元へと向かって行った
「・・・・・・・・・」
仕方なく、隅っこの椅子に座っていることにした
華やかな世界
着飾る女性に、お酒を飲み交わす男性たち
聞こえてくる話も、綾野にはよく分からない
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