愛は要らない


騒がしいホテルの中に足を踏み入れれば、視線が集まる

少し居心地が悪くて、綾野は遥を見上げる

緊張など、露ほどにも感じていない顔


「遥、久しぶりだな」


するりとほどけた腕は、そのまま知り合いの元へと向かって行った


「・・・・・・・・・」


仕方なく、隅っこの椅子に座っていることにした


華やかな世界

着飾る女性に、お酒を飲み交わす男性たち

聞こえてくる話も、綾野にはよく分からない


< 24 / 331 >

この作品をシェア

pagetop