愛は要らない


「・・・・・・・・・・・・構わないわ」


楓は綺麗な笑顔のまま、立ち上がった






好きだった

誰よりも

待っていてくれると、思っていた


「なのに、あんな小娘に奪われるなんて・・・」


ガラス越しに、夜の街を見下ろして、楓は重いため息を漏らす


「待たせて悪かったね。先に飲んでてもよかったのに」


遅れてやって来た遥は、上着を脱ぐことなく席に着く


「貴方がいないと、飲んでも意味ないでしょ?」


< 247 / 331 >

この作品をシェア

pagetop