愛は要らない
「・・・・・・・・・・・・構わないわ」
楓は綺麗な笑顔のまま、立ち上がった
好きだった
誰よりも
待っていてくれると、思っていた
「なのに、あんな小娘に奪われるなんて・・・」
ガラス越しに、夜の街を見下ろして、楓は重いため息を漏らす
「待たせて悪かったね。先に飲んでてもよかったのに」
遅れてやって来た遥は、上着を脱ぐことなく席に着く
「貴方がいないと、飲んでも意味ないでしょ?」
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