愛は要らない


遥は苦笑いをして、注文を済ませる


「煙草、吸わないの?」


灰皿をつついて、楓が遥を見る


「綾野が嫌いなんだ。今は全く吸ってない」


灰皿を店員に下げさせて、遥はワイングラスに手を添える


「そう・・・」


暗い声を漏らす楓に、遥は視線を逸らす

5年もたてば、人は変わる

けれど、遥を変えたのは綾野だと、楓は重く受け止める


「今日は私がおごるわ。・・・ウィスキーを」

「・・・・・・・・・・・・あぁ」


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