愛は要らない


綾野は頷いて、急いで会社に向かう遥を見送った


「朝っぱらから騒がしいのお・・・」

「・・・丈之助さん?」


声がして振り返れば、何故か丈之助がいた

ニカッ、と笑うと、丈之助は綾野に旅行土産、といくつもの箱を渡す


「これらを渡しに来た。こっちはフランス土産。これはイタリア、こっちがスイス」

「は、はぁ・・・」


食べ物ばかりで、気持ち悪くなってくる


「妊娠したと聞いてな。下手な土産より、こっちの方がいいじゃろ」


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