愛は要らない
遥にシャンパンを渡す青年が、面白そうに話しかける
「僕も、そのつもりだったよ」
「じゃあ、何で結婚したんだよ?そんなに良い女なのか?お前の奥さん」
シャンパンを口にして、人混みの中の綾野を見つける
「利害の一致、かな。・・・・・・少し違うけど」
「なんだよ、それ」
説明を求める友人に、遥はシャンパンを預けると、真っ直ぐに歩き出した
「まぁ、可愛らしいお嬢さんですこと。この方が、遥さんの奥様ですのね?」