愛は要らない


愛は要らないと、互いに手をとり、今日まで来た

けれど、それは簡単に音をたてて崩れた

誰が悪かった?

何がいけなかった?

このまま目を背けて、遥が全てを切り出すのを待てばいい

だが、綾野にはできなかった


「疲れた・・・。うわっ!!・・・・・・綾野かぁ」


帰ってきた遥は、暗闇の中にいた綾野に驚き、高鳴る心臓をおさえる


「どうかした?1人が寂しくなった?」


笑う遥は、いつもと変わらない


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