愛は要らない


「・・・これを」


綾野は、明るくなった寝室で、遥に携帯を差し出す


「見つかったの?どこにあった?」

「・・・・・・楓さんが、持っていました」

「楓が?」


遥は携帯を開いて、何故だろうと考え込む


「昨日、楓さんといたんですか?」

「あぁ、・・・うん」


躊躇いがちに、遥が頷く


「・・・・・・・・・私、やっぱり無理だと思います」

「何が?」

「・・・・・・離婚してください」


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