愛は要らない
遥の動きが止まる
混乱し出した頭を整理して、綾野の言葉を繰り返す
「離婚・・・?なんでいきなり・・・」
「誓約書に、あったでしょう?子どもは作らないと。・・・離婚してください」
綾野の様子からして、冗談ではないようだが、頷くことはできない
「何故、突然に?」
「無理だと思ったからです。・・・続かないと分かっていながら、望むことは無駄だから」
綾野は、封筒から離婚届を取り出して、遥に差し出す