愛は要らない


遥の動きが止まる

混乱し出した頭を整理して、綾野の言葉を繰り返す


「離婚・・・?なんでいきなり・・・」

「誓約書に、あったでしょう?子どもは作らないと。・・・離婚してください」


綾野の様子からして、冗談ではないようだが、頷くことはできない


「何故、突然に?」

「無理だと思ったからです。・・・続かないと分かっていながら、望むことは無駄だから」


綾野は、封筒から離婚届を取り出して、遥に差し出す


< 262 / 331 >

この作品をシェア

pagetop