愛は要らない


何から言うべきか

舞子の顔は、困惑していた

それが、綾野の心を深く悲しませた


「・・・・・・・・・・・・」

「・・・助からなかったのは、綾野さんのせいじゃないわ」


優しく、舞子が綾野に説明する


「仕方がなかったのよ。・・・綾野さんのせいじゃないわ」

「・・・・・・・・・一人に、してください」

「・・・・・・。そうね。そうするわ。・・・ゆっくり、休んで」


舞子は力なく微笑んで、病室を後にした


< 267 / 331 >

この作品をシェア

pagetop