愛は要らない


小さく漏らした呟きなど、無音の闇の中では、その役目さえ、果たしてはくれなかった





握りしめてぐちゃぐちゃになった離婚届に、名前が書けない

自身の車の中、遥は苦痛に歪んだ表情のまま、持っていたペンを助手席に投げつけた


「離婚だって・・・ッ。なんで、そんなこと・・・・・・」


綾野の真意が分からなくて、ただ、怒りと空しさが頭の中を掻き乱す


「・・・・・・・・・・・・・・・僕は、何かを間違ったのか?」


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