愛は要らない
驚いて、一瞬誰か分からなかった
「ごきげんよう、遥さん」
見惚れる程の笑顔を浮かべる遥に、周りの女性も目を奪われる
「彼女は夫人のおっしゃるとおり、まだ若い。そんな彼女を、結婚してまだ間もないのに、子どもにとられたくはありませんよ」
「まぁ・・・。遥さんは、奥様に夢中ですのね」
夫人の目が、どこか鋭く、綾野に向けられる
「えぇ。彼女は最高の女性ですから」
(よく回る舌ね・・・)
呆れてしまい、何も言う気が起きない