愛は要らない
愛は要らない
初恋はいつ?
と聞かれて、いろいろな人が浮かぶけれど、どれも【恋】とは呼べない気がする
【恋】が何かなんて、考えたこともなかったし、【愛】とは更に無縁だった
けれど、知ってしまった
人を愛するということが、こんなにも苦しいということを
「また、圏外だ・・・」
母方の祖母の家は、携帯の電波が入りにくいことを除けば、自然が豊かな住みやすい所だ
どうにか電波が入らないかと、綾野は庭を歩き回る
「綾野?さっきから何してるの?」