愛は要らない
「すみません、迎えに来ていただいて・・・」
ようやく目的地に辿り着いた遥は、疲れた顔で文子に笑いかける
「いいのよ。それにしても、あの子は幸せね。家出したら、旦那さんが迎えに来てくれるんだもの」
遥にお茶を差し出して、文子は笑い返す
「家出?あの・・・」
何も、聞いていないのだろうか?
「聞いてますよ。全部ではないけれど、ある程度のことは」
「そうですか・・・。じゃあ、どうして家出と?」