愛は要らない


「待って!」


離れようとする綾野の腕を掴んで、遥は自分に引き寄せる


「離して!」

「話だけでも・・・」

「離して、って言ってるでしょう!?」

「痛ッ!!!」


離そうとしない遥の足を、勢いよく踏みつける

西園寺家に居たときのような高いヒールではなかったが、体重をかけたその一撃で、遥は思わず手を離してしまった


「綾野・・・!」


その瞬間を逃さずに、綾野は逃げ出した


(なんで?なんで居るの??)


< 316 / 331 >

この作品をシェア

pagetop