愛は要らない
「待って!」
離れようとする綾野の腕を掴んで、遥は自分に引き寄せる
「離して!」
「話だけでも・・・」
「離して、って言ってるでしょう!?」
「痛ッ!!!」
離そうとしない遥の足を、勢いよく踏みつける
西園寺家に居たときのような高いヒールではなかったが、体重をかけたその一撃で、遥は思わず手を離してしまった
「綾野・・・!」
その瞬間を逃さずに、綾野は逃げ出した
(なんで?なんで居るの??)