愛は要らない


そうは言っても、綾野は止まらない


「・・・・・・ッ」


これでは、一日中追いかけることになる

そう思い、遥は残りの力を振り絞って、駆け出した

多分、人生の中で一番力を込めて走ったかもしれない


「綾野!!」


そして───




────────ドサッ


倒れ込むようにして、遥は綾野を捕まえた


「や、やっと・・・・・・、捕まえ、た・・・」


荒れる息に、体は重くて痛い


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