愛は要らない
遥の言葉に、綾野は反論出来ない
実際、そうなのだから
「・・・・・・楓と会って、彼女に何を言われたのか、聞いたよ」
遥は体を起こし、綾野の体も起こす
「気づいてあげれなくて、ごめん。不安にさせて、ごめん」
「・・・・・・・・・それを言いに、来たんですか?」
諦めたのか、綾野は逃げようとはしない
「・・・それも、ある。でも、一番は君に会いたかった。ただ、君を迎えに来た。それだけなんだ」