愛は要らない


嘘なんてない

自分に正直に、遥は綾野を見ている

それが分かるから、綾野は悲しくなった


「・・・・・・愛してるなんて、言えないわ。だって、愛は要らない、って言ったじゃない」


例えどんなに、何十回、何百回と言われても、【愛は要らない】その一言だけで、全てが砕け散る


「・・・・・・愛は、要らないわ」

「・・・そうだね。僕も、愛は要らない」


綾野は静かに立ち上がる

これで終わりだと、遥に背を向ける


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