愛は要らない


そんな必要ないと分かっていても、やっぱり泣いてる自分を見せたくはない

それを察したのか、遥は一度も、綾野の泣き顔を見ようとはしなかった

代わりに、綾野から受け取った指輪を、あるべき場所へと戻した


「帰ろう、綾野」

「・・・・・・・・・・はい」



にっこり笑って、綾野は遥の手を握り返した

涙は止まって、幸せな笑顔を浮かべた遥と綾野は、2人で文子の元へと、帰って行った



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