愛は要らない


けれど、それだけでは済まなかった


「ん・・・っ」


強引に上を向かされ、唇が重なる

正直、想定外の想定外

冷静さを取り繕う暇もない


「んっ!ん・・・っ」


抵抗しようとすれば、耳元で囁かれた


「彼女がいなくなるまでだよ・・・」


艶っぽい低い声に、背筋にゾクリ・・・と何かがはしる


「遥なの・・・?」


女性の声が近づく


「っ!!!」


すぐ傍に感じる、他人の気配


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