愛は要らない


それでも、意識は必然的に遥に集中してしまう

腰に回る手が、徐々にドレスの裾を持ち上げている

足の間に割り込む、不作法な遥の足

クラクラ・・・と、軽く目眩がしてきた


「限界・・・?なら、部屋へ行こうか」


綾野を軽々と抱き上げて、遥は女性が隣を通り過ぎる

一度として、2人の視線は交わらなかった


──ガチャ


部屋へ入り、遥の腕から解放された綾野は、まずは息を整えた

それから、頭の中を整理して、言いたいことをまとめる


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