愛は要らない


イヤリングとネックレスを外しにかかる


「キスも初めてなんて、学生時代は何を楽しみに?」

「来る日も来る日も、机にかじりついて、図書館の常連でした」


髪をとめていた、ダイヤモンドが埋め込まれたピンを外すと、髪が背中に広がる


「なるほど・・・」


腕時計を外しながら、遥は頷く


「後ろ、お願いしてもいいですか?」

「ん?あぁ・・・。いいよ」


時計を枕元に置いて、遥は綾野のドレスのファスナーを下ろす


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