愛は要らない
「失礼します。これから、食事ですので」
綾野の手を引き、遥は表で待っていた車に乗り込む
「いいんですか?」
「構わないよ。彼の目的は分かっているからね」
「目的・・・?」
繋いでいた手を離して、遥は笑いかける
「彼は、専務の座が欲しいんだよ。そのために、僕の欠点を探しているのさ」
おかしそうに笑っているが、瞳の奥に感じるのは冷たく鋭い敵意
「まぁ、譲る気はないけどね」
にっこりと笑って、遥の瞳から、敵意が消える