愛は要らない


仮にも妻だという女性に、はっきりと言う台詞ではない


「【夫婦】の名が聞いて呆れますね」


綾野は遥から視線を外し、窓の外に目を向ける




正座をし続けていると、足が痺れてきた

幸い、遥と綾野しかいないので、綾野は足を伸ばしてみた


「ん?」


遥の足に、爪先が当たった


「あ、ごめんなさい・・・」

「いや、いいよ。正座はきつい?」


遥が笑う

少し恥ずかしくなって、綾野は足を引っ込めた


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