愛は要らない
遥の声に、綾野が苦い顔をする
「なんですか?」
『実は、今夜父と母の代わりにパーティーに出ることになったんだ。大丈夫かな?』
「いいよ。アタシは彼氏んとこにでも押し掛ける」
笑う梨華に申し訳ないような笑顔を向けて、綾野は返事を返した
「分かりました。今から帰ります。そっちにつくのは・・・」
『大丈夫。迎えに行くから』
電話が切れて、綾野は不思議そうに携帯をしまう
「大変みたいね」
「まあね。誘ってくれたのに、ごめんね?」