一緒
住所ぐらい必要なのはわかってた。

「どうかしました」

「いや別になんでも…」

「ひょっとして関西の方ですか?」

 びくっ

「鈍ってますよ(笑) ああ失礼 ここはこれでも構いませんよ」

差し出された資料にボ-ルペンで丸を付けられ、どうやら同じような人が他にもいるんだとわかった。

それからはそれに習って書き込んで一日で済ませてしまった。

「案外楽やったな…んぅ!?」

目の前を横切ったんは。

まさか。

「ちゃうやろなでも」

咄嗟の判断でまた今度は雨も降ってないし。

今度は身一つや。せやからどないなってもええ。

そんな気持ちでゆっくりと車を走らせた。

確かなのかわからんけど彼女は前よりも表情が曇ってみえた。
< 23 / 73 >

この作品をシェア

pagetop