紫陽花
回りの奴らに言わせれば羨ましいらしいが俺からすれば全くいい迷惑だ。
確に黙ってれば背も高いし顔もまあ可愛い。
運動神経もいいしお洒落だし文句はない。
問題は性格だ。
俺はうるさい女がこの世で一番嫌い。
うるさい女は御袋だけで十分。
と無駄に冷静に考えながら前の席に背を向けて座る女を見る。
「今、葵のこと考えてたでしょ〜。」
突然振り返った葵の一言が
図星なだけに一瞬ドキッとした。
「考えてねーよ!」
「おかしいな〜。今正樹が葵のこと考えてる気がしたんだけどなー…」
そう行って木ノ下はまた前を向いた。
『お前はエスパーかっ』
とツッコミを独り入れてた。
ふと左を見ると葵のことを好きって噂がある幸司がこっちを見てた。
『…なんか気まずい』
そう思い教師に一言告げて便所に行きタバコを吸いに行った。
まだうっすらと桜の残る校庭を眺めながら吸い終わりまた教室に戻った。