逢瀬を重ね、君を愛す
「…でもなんで薫来てくれたんだろ」
素でそんなことを考えている能天気を目を眇めてみつめる。
―――なんで俺こんなバカ女好きなんだろう。
そんな思考を消し去るように頭を振る。
胡坐をかいた膝に肘を乗せると、呆れたように彩音を見つめる。
顔はどこにでもいるような並み。
性格最悪。
そして想い人あり。
「価値ねえじゃん。」
はっ、と軽く笑うと彩音が話題を振ってきた。
「でさ、今夜なんでしょ?」
「え?」
突然の話に疑問でかえすと不満そうな表情の彩音が飛び込む。
「だーかーら!妖怪退治!」
「ちげえ、祈祷だよバカ。」
「バカバカ言うなバカ」
「バカにバカ言って何が悪いんだよバカ」
「うるさい、連れてけバカ」
「だからバ・・・・は?連れてけ?」