逢瀬を重ね、君を愛す
「………」
少し考える彩音。
世話をするなら、やはり…家事等のスキルは必要なのだろうか?
そんな考え込む彩音を見て薫は笑って言った。
「世話係って言っても、俺の傍にいるだけでいい。」
「へ?」
情けない声が出た。
彩音はそれだけ?と呟く。
「それだけ。まぁ…雑用位は頼むかもしれないが…」
「薫はそれでいいの?邪魔じゃない?」
傍にいるだけで、役に立てるなら、彩音にとって、この上ない幸せである。
だが、心配なのは邪魔ではないのかと言うことだ。
「邪魔じゃない。邪魔なら、言わない。」
そう微笑んで言う薫に、彩音は頭を下げた。
「…お願いします!!」
この時、彩音の頭には1つのことわざが頭をよぎっていた。
働かざる者
食うべからず。