逢瀬を重ね、君を愛す
「一人でどうしたんだ?」
柱に背を預けながら彩音の手をつかむ。
「ん?探検だよ?この家の事、知っておきたいから。」
「そっか」
そう言うと薫は嬉しそうに微笑んで彩音の頭に手を置いた。
「う、ん。」
いつも思う。
いつも薫に触れられると体が熱くなる。
「あ、のさっ!!」
自分が赤くなってるのをごまかす為に、少し叫びながら話題を返る。
「薫のお父さんとお母さん!!見てみたいなーって!」
何気無く言ったこの言葉に意外にも薫の顔が少し強ばったが、すぐに何時もの顔に戻る。
「父上か、ごめん。今は無理だな。」
「だ、だよね。」
ただの一般の私が国のトップに簡単に会えるはず無いもんね!!
元の世界でも総理大臣に生で会ったことないし。
でも…
じっと薫を見る。
お父さんもお母さんも、美人なんだろうなー。