逢瀬を重ね、君を愛す

全てを話終わると、蛍は手を顎へ当てて考えた。


「……不思議な事ですね。」


蛍がじっと彩音を見つめると、薫の影に隠れる。


「彩音、そこまで警戒しなくていい。」


優しく影から彩音を引き出す薫は宥めるようにいう。
それでも彩音は影から出ない。代わりに小さい声で呟いた。


「ちっが……人見知りなの。」


「は?」


薫がよくよく彩音の顔を見ると、警戒ではなく、赤くなっている。


「…俺や桜乃は大丈夫だったじゃないか。」

「だって!!あんまり男の人の免疫ないんだもん!!
ずっと女子校だったし!!

桜乃さんは女の人だし、薫は女顔だし!!…蛍さんは…男の人だし…」


最後の方は本当に赤くなって消えそうな声だった。

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