逢瀬を重ね、君を愛す
そのまま薫は彩音の手を握って蛍が来た道を行く。
「帝、どちらへ?」
蛍が後ろから尋ねると、薫は振り返って言った。
「蛍は俺を迎えに来たんだろ?なら仕事をするまでだ。」
「なら、あたしは邪魔じゃない。」
このまま仕事場に行けば確実に邪魔になる。
気遣って握った手を離そうとするが、薫がそれを許さない。
「大丈夫。基本俺と蛍しかいないし、側に居るだけでいいから。」
そう言うと、足を止めることなく進んでいく。
引っ張られる彩音は置いて行かれないように、その後ろを蛍が笑ながら、薫に着いていった。