逢瀬を重ね、君を愛す
「かおっ…帝の、お世話係です。」
正直に言うと、彼はへぇ。と笑った。
「お世話係ねぇ。……衛兵さーん、ここに怪しい女…っ!!」
「ちょ、なんで叫ぶ!?正直に言ったのに!!」
大声で衛兵を呼ぼうとした彼の口を慌てて押さえる。
本当にこの男、油断出来ない。
「…あのなぁ。それも聞きたかったけど、他に言うことあるだろ?」
彩音の手を掴んで口から退けると、彼はため息混じりに言った。
「…は?他に…?」
他になにがあるのか。
自分の姿を見てみる。
――あ!!制服か!!えー…でも、その経緯説明するの面倒……薫か蛍さんいたらなぁ………
ん?んん??
あれ、ちょっと待って?
2人が居たら、私が怪しまれる事ないよね。うん。
よし、2人を呼びに行こうか。
そこまで考えていると、何も答えない彩音に分からないと思ったのか、彼は呆れた様に言う。