逢瀬を重ね、君を愛す
気になるあの人は
「おもっ…」
しばらくして書物を抱えた薫が帰ってきた。
「お帰りなさ~い」
駆け寄った彩音は薫の持っている書物を少しとる。
「ありがとな。」
「いえいえ。」
お礼を言われた彩音は、照れながら、整頓した書物の上に重ねていく。
「蛍、それくれ。」
後から入って来た蛍へ薫が手をつきだす。
「はい、これですよね?」
薫と同じ位か、それ以上の書物を軽々しく運んできた蛍に彩音は尊敬する。
「蛍さん力持ちなんですね。」
「そうですか?普通ですよ」
にっこりと爽やかな笑顔で返されると、眩しく感じる。